お客様名:医療法人社団清和会 笠岡第一病院
所在地:岡山県笠岡市横島1945
納入日:2020年10月7日
利用用途:発熱外来
お話を伺った方:
医療法人社団清和会 笠岡第一病院 法人事務局 課長 友國雅也様
モバイルクリニック™導入に至った背景
新型コロナウイルスが世界的な感染拡大している中、岡山県でも 100 名を越える感染者が発生し当院としても対応しなければならない状況になっていました。たちまち建築用のプレハブコンテナを病院建物と切り離した場所に設置し、一般の患者とコロナ感染疑い患者の動線が交わらない工夫をしましたが、診察にあたる医療従事者の安全を担保するものではありませんでした。医療従事者が感染すると院内クラスターが発生する可能性が極めて高くなることから早急に医療従事者を感染から守る手立てを必要としていました。
モバイルクリニックを選んだポイント
モバイルクリニックは陰圧がかかり、コンテナ内の気流を制御できることから医療従事者を感染から守ることができます。また患者の出入口と医療従事者の出入口を別に設けていることから動線が交わることで接触感染が起こるリスクも低いと考えました。また名前にモバイルが付いているとおりトラックで運ぶことが可能なため主に被災地への支援としても利用することも視野に入れています。導入コストについてはちょうど岡山県が新型コロナウイルス感染症患者の入院医療機関に対し設備整備の補助金の募集を行なっていたことから当院の考えを県に示し、導入にかかるコストの大部分を補助金で賄えたことも導入の大きな助けとなりました。
モバイルクリニック™を導入してよかったこと
やはり安心感が全く違います。建設工事現場のプレハブはいつ自分が感染するか分からない状況でピリピリしていたがモバイルクリニックが導入されたことで基本的な感染対策を行なうことは前提になるがそのリスクが低くなったことは現場に携わるスタッフとしては非常に心強いです。発熱外来は新型コロナウイルスの感染が疑わしい患者もそうでない患者も来ます。発熱外来が感染を広げる場になっては決していけないが、モバイルクリニックは一人の診察を行なった後最大陰圧をかけることでエアロゾル化したウイルスを排出できるため次の患者を安心してお迎えできる、という点で評価できます。
モバイルクリニック™へのご要望
スペースを狭くすることで陰圧がかかりやすい状態にしているが少し狭いと感じています。診察を行なうスペースについては患者と接触するほどではないが、PPE装着のための前室については医師と看護師が一緒に入るとそれだけで密となってしまうので一人ずつ入室するなど工夫しなければなりません。難しいかもしれませんがもう少し広ければ様々な場面で展開しやすいのにと感じられることも少なくなかったです。あとはコンテナなのでどうしても間口が高くなってしまいます。車椅子の患者についてはスロープを設けるなど対策をしたがもう少し低くなることを期待します。
最後に、メッセージ
コロナウイルスがある程度収束した後は災害派遣のベース基地として運用できるのではな いかと考えています。外部電源が確保できれば物資が乏しくなり、インフラも被害を受けた被災地でもモバイルコンテナは大きな力を発揮するのではないかと期待しています。